出版寺子屋 本を出す方法

このブログでは、本を出す方法を、 丁寧にお伝えします。 商業出版で本を出すことを目指します。 また、 「誰でも本を書ける」 「誰でも本を出せる」的な無責任な言葉で、 高額な出版プロデュースに 誘導するようなこともいたしません。 このブログは、 そのような怪しさとは一切無縁です。 そのことは、ハッキリとお約束します。

異質なものから学ぼう。

 

 

こんにちは、

のんびり出版プロデューサーの、

おかのきんやです。

 

きょうは、出版で大切な、

異質なものから学ぼう。

ということについて

お話しさせていただきます。

お役に立てば幸いです。

 

 

「この人、

 採用してください」

 

 アシスタントに応募して来たが、

不採用になった人の原稿を見て、

手塚治虫が述べた言葉。

 

 

 

 

(^-^)ノ【異質から学ぶ】

 

「ぴーマン」という造語、ご存知ですか?

ご存じないですよね、

私が作ったからです(笑)

 

意味:苦手だけど、

つきあえば自分が成長できる人。

 

子どもが、

ピーマンや人参を嫌いなように、

大人でも、苦手な人や、

うまの合わない人っていますよねえ。

 

そんな人たちって、

つい、敬遠しがちです。

ところが、そんな人たちの中に、

あなたを劇的に成長させる、

栄養素があったりします。

 

手塚治虫は、どんなにくせのある

「ぴーマン」でも、

バリバリ食べていたようです。

 

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だから、採用したアシスタントも、

地味タイプ、コツコツタイプ、

破天荒タイプ、

名人、達人、奇人、変人と様々でした。

 

たとえば、こんなエピソードがあります。

 

(^-^)ノ 【態度の大きい新人アシスタント】

 

浪人中のT君、

「少女マンガ雑誌の漫画賞に応募して、

入選したら100万円もらえる」と

言う情報をガールフレンドから聞きました。

 

T君、漫画を描くのは

得意だったのでさっそく応募すると、

佳作に入選。

 

100万円は無理でしたが、1

5万円の賞金を手にしました。

ちなみに、そのころの

サラリーマンの初任給が7万円の時代です。

 

「漫画賞は当選確率の高い

 宝くじのようなものだ」、

と感じたT君、賞金稼ぎとなります。

多い時には、週に2本も描いていました。

 

「とはいえ、一生、

 賞金稼ぎは続けられない・・・」

と思い始めた頃、

たまたま喫茶店で

『週刊少年チャンピオン』を読んでいると、

『ブラックジャック』の最終ページに

「手塚プロダクションで

 アシスタント募集中!」という記事。

 

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「これだ!」と思ったT君、

さっそく自分の漫画を送り、応募しました。

すぐに、「面接試験日」を

指示した通知が届きました。

 

当時のT君、

学生気分が抜けていなかったので、

「面接を受けたら合格!」と早合点。

家財道具一式を、

手塚プロに送りつけてしまいました。

 

面接官は、

古参のスタッフたちでした。

結果は不採用。

これが不採用の理由です。

 

手塚先生のファンでもない。

絵柄も手塚先生とまるで違う。

態度が大きい。

おまけに、家財道具を、

勝手に送りつけて来て非常識である。

 

これでは、

落とされるのも当たり前です。

 

T君、肩を落として

手塚プロをあとにしました。

 

ところが、その直後、

T君の応募原稿を見た、手塚先生、

 

「このひと、採用してください」

 

この一言で、

T君、滑り込みセーフ!

 

 

 

 

 

アシスタントになったT君。

ある日、手塚先生から

原稿用紙を渡たされました。

 

原稿用紙の上半分に、

ラフな三角形が鉛筆で描かれています。

 

手塚先生、その三角形を指差し、

T君に、こんな指示を出しました。

「T氏、これをロケットにしてください」

 

T君、思い切り、

シュールなロケットを描きあげました。

 

あまりに飛び過ぎているので、

古株のスタッフたちからは不評の声。

「ふつうに描き直した方がいいのでは」

とまでいわれてしまいます。

 

ところが、それを見た手塚先生、

「これ、いいじゃないですか〜!」

 

「手塚先生は、

 とても面白がってくれた。

 きっと、そういう新しい血が

 欲しかったんだと思う」

当時を振り返り、

そう分析しているのは、

T君こと、寺沢武一氏。

そう、あの大ヒット作

『コブラ』の作者です。

 

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(^-^)ノ【「ぴーマン」をカジれ】

 

手塚治虫は、

常にアンテナを張り巡らせていました。

情報、知識、センス。

自分を成長させるものが、

アンテナに引っかかれば、

ドンドン取り入れました。

 

手塚治虫は、

「ぴーマン」からも、

それを取り入れていたのです。

異質なものを取り入れる、

懐の深さと、包容力。

それが、晩年まで、

常に第一線で活躍できた、

要素のひとつだったのです。

 

 

 

 

(^-^)ノ「ぴーマン」は、

あなたが触れて欲しくない所を、

ズケズケと指摘したりします。

だから、苦手なのです。

 

「ぴーマン」の言葉は、

たんなるイヤミや

意地悪がほとんどです。

 

ところが、まれに、

ズバリ核心を突く

「ぴーマン」がいたりするのです。

 

私の経験でも、最大のチャンスは、

「ぴーマン」によって運ばれてきました。

今でも、その人のこと、

とても嫌いですが、

密かに、とても感謝しています。

 

「ぴーマン」により、

あなたの殻が破れることがあります。

まったく違った視点を

得ることができます。

思わぬ刺激を得ることができます。

 

大嫌いな「ぴーマン」だったとしても、

得るべきものがあれば、

その「ぴーマン」、

絶対に、カジるべきです。

 

 

ただし、「ぴーマン」と

仲良くしろというのではありません。

それをやると、

ムリがあります、

ストレスになります。

あなたが成長できそうな、

「ぴーマン」の指摘だけを、

取り入れればいいんです。

 

 

あなたの「ぴーマン」は

誰ですか?

 

いかがでしょうか。

きっと、みなさんの、クリエイティブな部分が

触発されたのではないでしょうか。

 

それでは、また、お会いしましょう。

さよなら(^-^)ノさよなら(^-^)ノ

 

   おかのきんや拝