出版寺子屋 本を出す方法

このブログでは、本を出す方法を、 丁寧にお伝えします。 商業出版で本を出すことを目指します。 また、 「誰でも本を書ける」 「誰でも本を出せる」的な無責任な言葉で、 高額な出版プロデュースに 誘導するようなこともいたしません。 このブログは、 そのような怪しさとは一切無縁です。 そのことは、ハッキリとお約束します。

迷いをなくせば、不満は消える

 

 

こんにちは、

のんびり出版プロデューサーの、

おかのきんやです。

 

きょうは、出版で大切な、

【迷いをなくせば、不満は消える】

ということについてお話しさせていただきます。

お役に立てば幸いです

 

 

もし、あなたが、作家になった時、

その、仕事への不満や、

収入への不満があるのなら、

 

自分は、お金を稼ぐために、

この仕事を選んだのか。

それとも、

この仕事が大好きだから、

この仕事を選んだのか。

それを、自分に問うことです。

 

 

「原稿料は絶対に

 上げないでください」

 

 手塚治虫がマネージャーから、

「原稿料のアップを

出版社に打診しましょうか」と、

尋ねられたときの返事。

 

 

 

(^-^)ノ

【仕事を輝かせる】

 

 

あなたは、自分の給料や時給、

適正だと感じていますか?

会社や、バイト先と、

そのことについて、交渉した事、ありますか。

 

手塚治虫も原稿料について、

出版社と交渉した事がありました。

その要求、なんと・・・。

 

自分の原稿料を下げてくれというのです。

それも、十分の一以下に!

 

いったいなぜ?

 

(^-^)ノ

【漫画家の原稿料】

 

その前に、

まずは、漫画家の原稿料を公開します。

 

原稿料伝説1.

 

原稿料の上限は、1ページ10万円だ。

その理由は、

手塚治虫の原稿料の、

最高額が1ページ10万円だったからだ。

手塚先生は、「漫画の神さま」だ。

その神を超えるような、

恐れ多いことをしてはいけない。

だから、

漫画家の原稿料はどんなに上がっても

10万円、という暗黙の了解がある。

 

原稿料伝説2.

新人の原稿料は、

1ページ、5千円〜8千円だ。

中堅で、1万円、

ほとんどの漫画家が、このレベルだ。

人気が出てくると、

1万5千円〜2万円になる。

 

大御所なら、5万円〜7万円だ。

ジャンプ系の、超人気作家だったM氏、

絶頂期には、

1ページ15万円だったという噂が。

 

原稿料伝説3.

新人が、連載を持つと、

連載貧乏になり、悲惨な目にあう。

 

週刊連載になると、

ギャグ漫画はともかく、

ストーリー漫画はとても一人では描けない。

 

そのため、数人のアシスタントを雇うしかない。

その、経費は、漫画家持ちだ。

新人漫画家の場合、

原稿料はせいぜい1万円。

原稿料から、アシスタントの経費を引くと、

赤字になる人も珍しくない。

 

もちろん、単行本化され、

多額な印税が入れば、

それは解消される。

 

だが、それは、

少なくとも、半年〜一年先になる。

だから、週間連載で、

人気絶頂、さぞリッチな暮らしを

しているのではと思いきや。

印税が入るまでは、

食うや食わずの悲惨な

生活を送っている場合がある。

 

原稿料伝説4.

 

広告漫画は美味しい。

 

広告漫画は、通常の原稿料の

10倍と相場が決まっている。

1ページ1万円の作家なら、

1ページ10万円に跳ね上がる。

だから、

漫画家は、

広告漫画の仕事が来ると嬉しくなる。

 

実際、私もそれを経験しています。

広告漫画は、ほとんどの場合、

出版社を通して依頼されるので、

出版社が、手数料をとっているはずです。

だから、実際は、20倍ぐらいの、

原稿料をクライアントから

払ってもらっていると思います。

 

超人気作家の場合、

さらに跳ね上がる。

新聞で広告漫画を描いた場合、

 

1ページ100万円

というのも珍しくない。

 

(^-^)ノ

【値下げの理由】

さて、話を元に戻します。

 

手塚治虫は、

なぜ、自分から、

原稿料の値下げを望んだのでしょうか。

 

昭和48年(1973)

手塚治虫にとっては、最も辛い時期でした。

そのわけは、会社の倒産、

そして手塚漫画の人気が

なくなってきたことです。

 

当時、

「カムイ伝」「巨人の星」「あしたのジョー」

などの劇画がブレーク。

手塚治虫は、

自分の漫画とはまったく異質な劇画に

ショックを受け、大スランプに陥ったのです。

 

出版社は

「手塚はもう終わった」

「これからは劇画だ」と、

手塚作品を次々と打ち切りました。

 

ところが、

手塚先生の根性は半端ではありません。

なんと、新人並みに、

大手の出版社に持ち込みをしたのです。

ところが、

その新作、ボツとなりました。

 

今まで、巨匠と持ち上げていた、

編集者たち、

手塚治虫の商品価値がなくなると、

手のひらを返したように、態度が変わりました。

 

 

 

それに、

義侠心を燃やしたのが

「少年チャンピオン」の名編集長だった、

壁村耐三さん。

「うちで連載を始めましょう!」

と救いの手を差し伸べます。

 

とは言うものの、

手塚先生はもはや過去の人であり、

戦力にはならないのも事実です。

それなのに、原稿料は破格、

予算が貧弱な「チャンピオン」では、

とても採算がとれません。

 

壁村さん、

考え抜いた末に、

失礼を覚悟で、

4回限りの連載と

いう条件を提示しました。

 

これなら予算的にもなんとかなります。

手塚治虫は、その条件を快諾。

さらに驚きの逆提案をします。

 

なんと、

新人と同額である、

1ページ

8千円の原稿料で

書かせてください、

と申し出たのです。

 

1回目の作品が掲載されると、

大評判となり、人気は回を増すごとに急上昇。

 

4回限りのはずが、

急遽、長期連載へと変更されます。

 

この作品のお陰で、

手塚先生は人気漫画家の地位に復活。

さらに、

「少年チャンピオン」も大人気雑誌へと、

急成長していきました。

 

その作品こそ、

不朽の名作

『ブラック・ジャック』です。

 

 

 

 (^-^)ノ

【あなたにとって、仕事とは】

 

 仕事に対するあなたの姿勢、

次のどちらですか?

 

1.お金を稼ぐために、その仕事を選んだ。

2.その仕事が大好きだから、その仕事を選んだ。

 

もちろん、それが両立すれば、文句なしです。

 

ところが、世の中、そう上手くはいきません。

ほとんどの人が、

あちら立てれば、こちら立たずで、

不満を抱えています。

 

漫画家の場合。

大ヒット作を出し、億万長者になると、

あっさりと漫画家を引退する人がいます。

その後は、

マンション経営などをして、

悠々自適の生活です。

 

その一方、生活保護一歩手前の、

貧しい生活をしていても、

「漫画を描いていられればしあわせ」

と満足している人もいます。

 

どちらも、迷いがないので、

幸せだと思います。

 

手塚治虫は、明らかに、

漫画が大好きだから、

漫画家という仕事を選んだのです。

だから、原稿料を8000円に値下げしてでも、

漫画を描き続ける事ができる道を選んだのです。

 

 

(^-^)ノ

【迷いをなくせば、不満は消える】

 

もし、あなたが、作家になった時、

 

仕事への不満や、

収入への不満があるのなら、

自分は、お金を稼ぐために、

この仕事を選んだのか。

それとも、この仕事が大好きだから、

この仕事を選んだのか。

それを、自分に問うことです。

 

そのどちらもが、

入り乱れているから、

不満が生まれてくるのです。

 

どちらか一方をしっかりと選び、

迷いが亡くなったとき、

不満は消え失せます。

間違いなく幸せ度が高まります。

 

 

いかがでしょうか。

きっと、みなさんの、クリエイティブな部分が

触発されたのではないでしょうか。

 

それでは、また、お会いしましょう。

さよなら(^-^)ノさよなら(^-^)ノ

 

   おかのきんや拝